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THE PAST DIARY |
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出張 (12月12日)
出張お絵かきから帰ってまいりました。 三重県の熊野市まではるばる片道7時間。遠かったけど実に濃密な時間を過ごしてきました。
まだ詳しいコトはヒミツですが、某プロジェクトに加わることになり、あるモノに絵を描いてきたのです。といっても下書きだけですが、続きは・・・というより大部分はさるミュージシャンが描き、アタシはまた仕上げに携わることになってます。
気になる方もお出ででしょうが、プロジェクトの内容が明かされるまであと1年ほどお待ち下さい。
ところで、その熊野市。いいところでした。 地元の方は「陸の孤島」と仰ってましたが、大勢の人が押しかけたらあの自然は守れないなーと思います。気になる方はこっそり出かけて下さい。
帰りがけにお世話になっていたお家の方が「家はテレビもなくて・・・」とつぶやかれてハッとしたんですが、見てなくてもテレビをつけているような典型的なテレビっ子のあたしが、3日間テレビのない事に気付いてなかったんですなー。 刻々と彩を変える絶景の海と、飽くことのない人々との会話が、十分すぎるほど時間を満たしていたんです。 気合を入れて描いていたせいもあるでしょうが、それでも日常の生活と掛け離れた時間を過ごすことができました。
音楽のプロと楽器創りのプロと写真のプロは、それぞれにしっかりと生きており、「○○バカ」の王道をガシガシと歩き、そして周囲をしっかりと抱きとめて実に心地よい集団でした。 「そこまでやるか!」ってほどのプロ根性に加え、みんな自分の仕事が大好きで仕方がないようで、そういう意識がとても嬉しく「○○バカ」大好きのアタシにとって一生忘れる事のない3日間となりました。 アタシのようなグータラ道のプロが参加していいのか?と、今になって不安になったりして。。。
帰りの駅は名残惜しさでいっぱいだったけど、数ヵ月後にまた行けるから我慢我慢だ。
ま、ここまでの話でなんとなくどんな事してるのか想像できるでしょうが、知らないふりしてましょう。
蓮U (9月24日)
どうしても描きたかった「蓮」が完成した。 スケッチからちょうど一ヶ月かかったことになる。 途中、全く手を動かさない日はあっても、片時も頭から離れる事はなく、どっぷり蓮の魅力にとり憑かれていたわけで、やっと解放されると思うと肩の荷が降りて嬉しいのだが、魂が持って行かれたみたいで淋しくもある。 そんな制作終了直後の感想など書いてみます。
《絵具》 水彩画なら自由自在なんだが、今回も岩絵具に振り回された。 水に対する比重だとか、重色した時の効果などまだまだわからないことだらけでかなり苦労した。 青色一色選ぶにしても、手持ちの何十色の中からあーでもないこーでもないとチョイスし、上手くハマルとニヤリと笑う・・・。
《構図》 いつも心掛けているのは「自然でシンプル」。見て感じたまんまを表現したいと思っている。 しかし今回は、心象風景に近いんだろうなー。 ムダを省き、必要なパーツだけを並べ、かなり不自然な蓮畑となっている。でもいいのだ!何日も悩みに悩んで並べ替えた葉っぱも蛙君も、こちらの意図を理解してくれたと思っている。
《テーマ》 白々とした空気の中、色が蘇り始めた早朝の静寂。 音を感じないようにしたかった。 音がするなら「し〜〜〜ん」だな。
《未熟》 これまで花をはじめいろんなモチーフを描いてきた。 「こっちから光が当たればこんな風に見える」という経験に裏付けされた自信のようなものがあった。その自己解析の通りに描けば自然な感じで表現できるという確信もあった。 しかし、この蓮は違ったのだ。
花びら1枚1枚に意志が宿っているのか、各々が光をコントロールしているんじゃないか?と思えるくらい、自分の中で確立しつつあった物の捉え方を覆されたのだ。 「え?なんでここが明るくなるの?普通は影になるでしょ?」 スケッチしながら不思議でしかたなかったのだ。
そんなふうに勝手にそれぞれ開いている花びらなのに、きちんとひとつの塊の花として圧倒的な存在感を放っているのだ。 お手上げ?と、ちょっと思った。
もうひとつ。 造花のように見えるのに生きている事が怨めしかった。 写実的に描けば描くほど造花に見える可能性が高くなりそうで、瑞々しくしかもテーマである「静寂」をどう表現したらよいか。難題であった。 やっぱお手上げ?と弱気になった。 でもね、姑息な手段を使わず正面からチャレンジさせて頂きました。 K−1チャンピオンに挑むひ弱な奴ですわ。決してベルトを奪おうなんて恐れ多くて・・・。ただね、せっかく闘うのだから、頬にかすり傷のひとつでもつけたいじゃないですか?例えが変? いや、そんな追い詰められた心境でしたのよ。おほほ。 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 最近、描くことが楽しくて仕方ないのだが「容易に表現できないのだぞ!」と、ナニモノカが警告してくれたんだと思っている。 もっともっと真摯に取り組め!と怒られちゃったんだなー。
さて、ここ数日のお絵かき疲れも残ってますが、庭の彼岸花は待ってはくれず、明日は蚊取り線香の煙の中でスケッチしてるんだろうなー。いい感じのススキも見つけたし、まだまだお絵かき修行は続くのであった。
蓮 (8月24日)
先日、蓮を描くため、佐原市の「水生植物園」に。 地元とはいえ初めて訪れる施設のため、事前に花の状態など問い合わせたんだけど、すでに盛りを過ぎているとのこと。 でも「蓮を描きたい症候群」のため、ダメモトで出かけた次第。
園内のほとんどの敷地は、菖蒲と蓮で占められているんだが、通路の分かれ道にある矢印表示に「→遊園地」とあった。 「ん?遊園地ぃ〜?」観覧車やジェットコースターなど見えないぞ…。と、妙な期待を抱え先に進んだが・・・・・・・。 あったあった。 期待通り、よく公園で見かける遊具が並んでいたのさ。 しかし、嘘つき!などと罵ってはいけない。 花に飽きたお子ちゃまにとっちゃ立派な遊園地だ┐(´ー`)┌
そんなショボイ展開を楽しみつつ、園内をぐるりとまわりモチーフを探したんだが、まだ数百は咲いているであろう蓮なのに、目に留まった花はたった一輪。 それも寒気を覚えるほどの神々しさで迎えてくれた気がした。 神仏を全く信じないあたしでも、仏様が鎮座される姿を容易に想像できたのだ。「一期一会」という言葉が浮かんだ。
そこは園の端っこでトイレもベンチもゴミ箱もあるという、至れり尽くせりの環境だった。これも仏様のお導きか…。すぐに準備し神聖な気持ちで描き始める。 1時間ほど経っただろうか? 集中力が希薄になったためか、実に騒がしい声に気がついた。 なんだ?なんだ? 生垣の隙間から大勢の人が見える。市民プール?ってここにあったのか…。隣接してたのか…。知らなかったよ。 様々な注意を呼びかけるプールのスピーカーの声、母を呼ぶ子供の声、上機嫌で話すオヤジの声・・・。 いやー、賑やかですなーーー。
噴出す汗でTシャツの色が全部変わっちゃうくらい、猛暑の中スケッチしてる自分と、水と戯れていらっしゃる方々と、天と地ほどの差があるなと、ほんの一瞬怨めしく思ったが、どちらも楽しんでいることにかわりはないのだ!と自分を納得させつつ、今度夏にスケッチ行く時は、プールに浸かりながら描けるトコ探そ!などと夢のようなコトを想像したりして…。

鉛筆、色鉛筆 |
プールの誘惑にもめげず花のスケッチが一枚完成したところで、冷たいお茶を飲みしばし休憩。
これから描く日本画の構図を考えながら、ペットボトル片手に園内をぶらつくと・・。
えっ? |
今日の来園者は、アタシだけですかぁ〜〜??? プールの奴らめ、そっちのひとり当たりの占有面積は狭いだろ! こっちなんてスゴイぞ!なんなら分けてやってもいいぞ! と、急に強気になり、よほどプールに行きたいんだなーと気付く。 その時点で神聖で純粋な気持ちなど微塵もなかった。
さて、その後全体の感じや蕾、葉、種などたっぷり観察スケッチし園を後にした。
帰り道、バックミラーを見ると、激しく近付くバイクが見えた。 憧れの白バイであった。キップ切られるほどスピード出してないし、シートベルトしてるし、やましい事などな〜んもないし、さっき知り合ったばかりの仏様がついてるから堂々としてられる。
白バイはアタシの愛車を追い越し、なぜかすぐ前のポジションに。 いやだわー。猛暑スケッチで精根使い果たしてて危ないから先導してくれるのかしら?警察のサービス向上? それとも張り合おうってのかい?やるならやるぜ!軽とはいえターボ車だぞ!関係ないけどABSもついてるぞ!
などとアホなことを考えつつ、ぐったりしながら帰りましたとさ。
LOUVRE (6月27日)
芸大美術館に行って参りました。ルーヴル美術館所蔵の古代ギリシャの芸術を堪能して参りました。 観に行くきっかけとなったのは、さるご婦人(猿じゃないよ〜)からの「ヴィーナス描いたらどうなる?」って問いかけで、おもしろそうだがホンモノを観ない事には…って流れになった次第。
目的は門外不出の「アルルのヴィーナス」だったんですが、いやぁ〜どの作品もスゴイスゴイ。レリーフにもやられましたなー。すばらしかった。 大理石の粒子がキラキラ反射したり、修復の痕が生々しかったり、発掘されきれず部分だけの展示に「全部観たいっ!」とやきもきしたり、隣の客に押されてもめげずに隅から隅までガンガン観たわ!だはは!
それに、これらが創られたのは紀元前ですぜ!ダンナっ!その頃日本は弥生時代ですぜ! 道具の調達も大変だっただろうなー。果てしなく時間がかかったに違いない。神への尊敬、畏怖といった感情とともに、そういった苦労も推し量られてとてもいい鑑賞の時間であった。 しかし、これらを創り出した彼らは、後の世で芸術作品として大切に扱われる事になろうとは考えてもなかっただろうなー。
全ての展示を観てからショップに向かった。ほとんどの美術展で「ポストカード」を扱っているが、ホンモノを観た後の印刷&縮小されたポストカードはとても弱々しく、それは仕方のないことなんだが、平面の絵画でさえそのように感じるのだから立体の彫刻は尚更・・・・。 でも・・・。2枚購入・・・。 同行の友人テニスバカ2号は「ボルゲーゼのアレス」の二枚目っぷりにやられてたが、結局ホンモノに及ばないとポスカ購入をやめていた。キミの目は正しいぞ!
久々の芸術鑑賞だったが、やっぱホンモノに触れるってのは大事だなー。ネットや本で「おおっ!」とか言っても、「おおっ!」のレベルが違うもん。常に高レベルの「おおっ!」を発してしたいものだ。
来週から「若冲展」が始まる。絶対行くっ! 「ホンモノ観た後で印刷観ても・・・」って思ってても、作品集を買ってくることだろう。その辺の意志はとても弱いのだ。 っていうか、若冲の作品が大好きなのだ。 郵便局に貼られたポスターを拝み倒してもらってくるほど好きなのだ。
数年前、大好きな「一村展」に行きそびれたので、今度こそ!だ。
カッコ (6月7日)
「アンタをよく知らない人は、外見やしぐさだけで判断するんだ」と主任(息子:中3)によく言っている。 付き合いが長ければ内面を知ってもらえるので、どんなものを身に付けようが突拍子のない行動に出ようが、それは一向に構わないんだが、内面って知らず知らずのうちに外面に影響してるんじゃないかと思う。
金髪に鼻ピアス、目の周り真っ黒メイクのお姉ちゃんと、黒髪ストレートでさわやか色のワンピースのお姉ちゃんがいて、どっちか雇用しなければならないとしたら答は…。 鼻ピアス姉ちゃんの方が優れた能力があったとしても、世間様はそのように判断するのだ。 損得だけで生きてるわけではないが、少しでも得した方がいいんじゃないかなー。
年取ると性格が顔に出るなんて聞くけど、テニスしてるイジワルそうなオバハンが実際イジワルだったりする。内面が顔にも反映するとしたらえらいこっちゃ! アタシなんて間抜け顔だから、誰が見ても「こいつはノー天気だろ」と思われてるんだろうなー。ふふふ。内面は違うのに・・・。ふふふ。やればできる子なのに。ふふふ。やらないだけなのに。ふふふふふふ??? なんだ?内も外もダラシナイんじゃないか・・・・・。 まあいっか!攻撃的に見えないだろうし、初対面から敵を作るコトはなさそうだ。間抜け顔でメデタシだ。
近所の外装工事をしてた兄ちゃん達は、揃いの金髪でいかにもイマドキの若者だったのだが、見た目はチャラチャラといいかげんそうに見えて、実はとても礼儀正しく、仕事熱心で好感が持てた。 株を上げたって事なんだろうけど、数日間の工事で彼らの事がわかったからの結果であって、やっぱ見た目だけじゃ彼らに工事は頼まないだろうなーと思う。
人の目を気にして・・・という思惑は大嫌いだが、人目にさらされて生きて行く以上、少しは意識しなくちゃね。 カッコは大事だ。
ってことで、現在の自分の服装チェ〜〜〜ック!! 白のポロシャツ、迷彩のダメージカーゴパンツ。 これからお絵かき教室のセンセの仕事だ。
これじゃいかんよね・・・?
駐車場 (2月15日)
家は閑静な住宅街に建っている。 かなりの戸数がある住宅街で建築協定も厳しいから駐車場やアパートは禁止だし、純粋な「一戸建て」だけが密集してる地域となっている。 ってことで、商店街など近くにないので車に頼る生活となる。
どこに買い物に行こうが車で10〜20分圏内だから苦労する事はないんだけど、駐車場でイライラする事が多いんだなー。 ほとんどのお店の入り口横に身障者専用駐車スペースがあるんだけど、明らかにピンピンしてる奴が駐車してるのよ。 とっても腹がたつ。
近付いて「おいっ!コラっ!耳の穴から手突っ込んで奥歯ガタガタいわせたろうかっ!」と言いたいが、気の小さい子羊のようなアタシはいつも心の中で叫ぶだけ。
足を痛めて歩行困難だった時に一度利用させてもらった事があるが、駐車スペースが空いててよかった〜と心底思ったもの。 利用すべき人はいつ何時やってくるかわからないんだぞ!そこんトコをよーく考えてもらいたい。 子供連れのお母さん!子供が当たり前の事と思っちゃうわよ!
近いし、空いてるから駐車しちゃえ!と考える安易で自分本位な奴らは、ぜひ「いかなる時も一番遠くの駐車場から歩きやがれ!の刑」に処して欲しい。更に家の庭の草むしりもさせてやるっ!だーっはっはっは!
あっ、某ビジネスホテルの社長も同類の人だわねー。最初の記者会見見てた時、久々に「コイツ蹴ってやる!」と思ったもの。 日頃自分の幸せだけを追求してるアタシだけど、「正直者が馬鹿をみる」事は許せない。 自分に被害が及ばなくても腹がたって仕方ない。
法律上罰則がなく、アンタらの意志に任せるからなーという事を大事にする大人でありたいと思う。
抱負 (1月7日)
謹賀新年。 2006年が始まりました。今年もよろしくお願いいたします。
先日、恒例となっております主任(息子:中2)の書初めの宿題をするため、叔母の所に行ってきた。 叔母は「書」のヒトなので、道具の心配がいらないばかりか、ご飯までご馳走してもらえるという特典つき。毎年勇んで出かけるのだ。
今年のお題は「未来への希望」。ガッコで配布されたお手本は行書で書かれており、とっても難しそう。ま、その辺はアタシが書くわけじゃないから放っておいて、庭でスケッチ開始。 30分後、スケッチも1枚書けたし寒くなったので、緊張感あふれる書道場へ。
なんとかまともな文字ができあがってました。 スピードとリズムが大事だという叔母は、うまく書こうとする主任を制し、「ひゅ」 「しゅー」 「ぐっ」 など、長島監督のような指導の言葉を発してましたな。
ガッコに提出する2枚を選び、やれやれと安堵する大人二人に対し、「あのさー、その他にもう1枚、自分の抱負を書くんだけど」と申し訳なさそうにつぶやく主任。 「書く文字は決めてあんの?」 「いや。ぜんぜん!」 そこからアホ全開3人のお題決めが始まった。 以下がエントリーされたお題である。 ・創意工夫 ・引き際 ・右往左往 ・ひきこもり ・ニート ・四面楚歌 ・金輪際 ・食いだおれ
叔母は80歳だが、とてもノリのいい人なので「右往左往」のお手本を書いて更に場を盛り上げていた。 ご想像通り、一番まともな、っていうかそれしかないだろ!という「創意工夫」を書く事になったのだが、これは叔母がお手本を楷書で書いてくれたので、数枚ですんなり仕上がった。
常に笑いが巻き起こる現場だったのだが、書く時だけは一瞬でシンと静まり、こういう緊張感を味わうだけで書初めの意味があるんだなーと思った。
夕飯はこちらも例年通りの焼肉屋へ。 叔母は小柄で47キロしかない体なのに実によく食べる。いつでもパワフルだもんなー。 書初めの宿題は来年までだが、叔母にはいつまでも元気でいて欲しい。1人暮らしで心配する事もあるけれど、アタシの何倍もしっかりしてるから大丈夫だろ。
おばちゃん、いつもありがとうねー。
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